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暗号資産の相場形成に寄与する多通貨オークション

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以前、以下の動画で暗号資産古物のオークションを行いました。

https://youtu.be/fTYDsRi4mK8

オークション自体はうまく行きました。しかし、狙っていた効果(暗号資産の相場形成)については、あまり出なかったと思います。

単にオークションをしても価値がはっきりしない

「オークションであればよりそのときの相場に近い額で決済がなされるのではないか」という期待がありました。しかし、このやり方には欠点があります。「売れた物の価値がどれぐらいなのかわかりにくい」というものです。

どういうことか説明します。私達が暗号資産の相場を述べるときは、ほとんどの場合法定通貨(日本在住なら日本円)の価格を基礎とします。「1ALIS は日本円で3円」のような形ですね。

ところが、上記のオークションでは日本円での価格は出ず、代わりにモノを使っています。例えば、「21ALIS は割引券セット」という形です。

この場合、割引券セットがどれぐらいの価値なのか? という問題が依然として残ります。それがはっきりしないうちは、対価となっている ALIS の価値もはっきりしません(取引した当事者にははっきりしているのでしょうが)。これではオークションをしても暗号資産の相場形成にあまり寄与しません。

日本円を混ぜた多通貨オークション

この問題を解決するために、多通貨オークション(Multi-Currency Auction, MCA)を考案します。これは、「オークションを価値が安定した通貨(法定通貨、ステーブルコインなど)を含んだ複数通貨で行い、最後に落札者がどちらかの通貨での入札者を落札者とするのか選ぶ」という形式です。

図を用いて説明します。なお、下記の例では暗号資産としてALISを用いています。

(1) 出品者の商品に対して、円もしくは暗号資産で競りを行う

(2) 円および暗号資産での最高入札額が確定する

(3) 出品者が円と暗号資産いずれかの最高入札者を落札者として選ぶ

この場合1000円が250ALISと等しい価格(つまり、1ALIS = 4円)の可能性が高いです。なぜなら、それぞれの入札者(特にALIS側)が、「この価格であれば円/ALISの最高入札額より価値が上回っているだろう」と期待して入札しているからです。

つまり、以下が成り立ちます。

(販売された商品の価値)=(日本円の最高入札額)=(暗号資産の最高入札額)

商品を販売しつつ、日本円と暗号資産との為替レートを形成することができるのです。

租税の点でも多通貨オークションは有用

上記の例で、「1000円 = 250ALIS」というのはかなり有力に立証されています。暗号資産古物取引において、未上場通貨の売上は「その暗号資産の日本円に換算したときの評価額で計算するように」と国税庁は指導しています。この場合その評価額は、1000円として問題ないでしょう。つまり多通貨オークションによって、租税の基準となる売上の額も明瞭になります。

扱う通貨の個数をもっと増やすこともできる

基準となる通貨(上記の場合日本円)を1つ含んでさえすれば、暗号資産はいくらでも増やせます。下記のように4つの暗号資産を同時に扱うことも可能です。

それぞれの暗号資産の所有者が十分な人数だけオークションに参加している必要はありますが、この場合複数通貨の為替レート(パターンは nC2)を一気に形成できます。上記の例で、それぞれ1000円、250ALIS、0.001BTC、9MONA、500MDR で落札されたとすると、以下が成り立ちます。

1000円 = 250ALIS = 0.001BTC = 9MONA = 500MDR